2012/04/12

Navdanya farm










Dr Vandana shiva さんのインドDehradunにあるNavdanya 農場にいってきました。この農場は20年ほど前に作られたそうです。
NGOであるNavdanyaでは、有機農法の研究と普及に勤めています。有機農法と在来種の種を利用することにより、農民は種苗会社から種や肥料、農薬を仕入れるために借 金をする必要がなくなります。このことにより多くの農家が毎年多額の借金をすることなく農業が続けられるようになって来ています。でも、多くの農民はすでに有機農法のための伝統的な品種の種も知識も失ってしまっています。そのため、Navdanyaの主な仕事は、個別の地 域に合った伝統的な種子についての知識を集めそれを農民に供給すること。Dehradunにある実験農場では、200種類以上の米と100種類近くの麦、それに多くの雑穀、野菜、ハーブの種子が収集、保存されると同時に栽培実験が続けられています。
実験の一つはバラナージャ・システムと呼ばれる混作法で、12種類の穀物を同時に育て、このことにより、単一の作物が畑を覆っているときより害虫にや られづらくなり、また1種類が不作でも他の作物を収穫することが可能にもなります。また、インドの小農の多くが1~2エーカー(0.4~0.8ヘクタール)の 土地しか持っていないことから、小規模の畑で1世帯が十分な栄養をとれるようにするような作物の作り方の実験も行っています。実際、第三世界の栄養失調の原 因の一つに、換金性の高い麦、米、トウモロコシ等に駆逐され、少量でも栄養価の高いアマランス(ヒユ)やミレット(キビ・アワ)などの生産が止められたという側面も大きいのです。ここで保存されている種は少量ずつ、希望する農 民に貸し出されます。種を借りた農民は次年度その種を倍にして返還するか、あるいは誰か別の農民二人に種を貸与することになっています。こうして種は徐々にインド 全土に広がっていきます。
また、ナヴダーニャ運動に参加した村落は、ジャイヴ・パンチャヤット(命の村落会議)と呼ばれる議会を作ります。この村落会議の主要な目 的は、村の共有地と共有知識の管理です。生物多様性登記簿と呼ばれる大きなノートには、村人たちが利用している植物の押し花が挟み込まれ、その傍らには その植物の呼び名と利用法が細かく記載されます。この登記簿の目的は二つあります。一つには、村人の間で植物の利用法についての知識を共有すること。 二つめに、知的所有権の問題があります。知的所有権が企業など他者に主張されることを防ぐためには「我々はすでにそれを知っていた」ということを示し ていく必要があるのです。このためには登記簿にすでに書かれているという事実は重要な武器になるのです。
一方でNavdanyaは国内の中産階級の人々の理解を得ることにも力を入れています。こうして有機農法でつくられた種子の一部はナヴダーニャによって買い上げられ、首都デリーなどにつくられた直営店や定型店舗などでNavdanyaブランドで販売されています。また、週に1〜2回は収穫された作物を直売するマーケットが開かれます。今回はアメリカ、イタリア、オーストラリア、エクアドルなどから研修ボランティアが参加。Navdanya Farm はこういった研修ボランティアに支えられています。



今回参加していたみんなと
(左)
ゲストルームは土壁でシンプルな作りです。