2012/01/01

インドから愛と祈りを込めてin いわき報告

2011年12月27日朝、福島県いわき市から家族で筑北に避難されている澤村さんを案内役に、待ち合わせ場所の姨捨サービスエリアを出発。
今回 はインドから被災地支援のチャリティコンサートツアーに来ているシタール奏者ゴパール・クリシャン・シャーさんとタブラ奏者のディネーシュ・チャンドラ・ ディヨンディさん、インド舞踊家の横田ゆうわさん、池田未央さん、自分の畑で採れた支援物資のミカンを積んで愛知県西尾市から駆けつけてくれたしんちゃん とジュンくん、お手伝いを買って出てくれた前田くん。そしてチャーリー宮本と私ミヤモトタミコの9名が慰問部隊。澤村さんご家族を含め総勢13名でのいわき訪問となりました。
受け入れ先は「のびのび園」名物園長で知られる新妻芳子先生。
安曇野を出発して約7時間。予定どうりの流れで「のびのび園」に到着!ミュージシャン2名は澤村さん宅にホームステイ、私たち7名は「のびのび園」で合宿!?
到着した日は、園でついたお餅でお雑煮をごちそうになり、保育士の先生方含め15名の夕食会となりました。イスもテーブルも、何もかも小さい中での食事と語らいは、とても心温まる時間でした。
いわき市の町の中は大震災があったとは思えないほど、あまり被害を見受けられませんでした。でも、ここには目に見えない原発という被害がある事も確かです。
※ガイガーカウンター(ボラネット信州所有)での測定値は安曇野とあまり変わらりませんでしたが、風向きによってもかなり違いはあります。また、土壌への蓄積も心配されます。
当初は避難する人が多く、人口も半分ほどに減ってしまったそうです。
今は徐々に戻って来る方もいて、すこしづつにぎわいが戻っていますが、こころの傷は深いままのようでした。

28日コンサート当日は穏やかに晴れた日となりました。集まった多くの子どもたちはインド音楽もインド舞踊も初めて。
ゆうわさんと未央ちゃんがやさしくインド舞踊の解説をしてくれました。
インド舞踊が始まると、みんな身体を動かしたり手振りをまねたり…すっかりインド舞踊の世界にハマったようでした。
そしていよいよインド音楽!ゴパールさんが会場のみなさんに「インドから、みなさんの平和と幸福をいつもお祈りしています。」とやさしく語りかけ演奏が始まりました。
初めての人でも、子供たちでもわかりやすいように演奏してくれました。
インド音楽が始まり、演奏がだんだん早くなって来ると子供たちはエアータブラとエアーシタールで参加!ありがとう!みんなノリノリでした!
夜 は持ち寄った食材で、インド料理を2品とタイ風米麺焼きそばを作らせていただき、園長先生も参加されて打ち上げ!
初めて食べる味に感激してくれました。
そのうち「のびのび園」には園歌が無いという話しになり、新妻先生がいつもこころに止めている事や願い、思いを書きとめてくださいました。
「キラキラした瞳
 生き生きしたこころ
 のびやかな身体
 あふれる笑顔、ともだち大好き
 太陽が好き、大地が好き、緑が好き…」
その詞を見ているうちに突然メロディが湧き出て来て?いえいえ何かが降りて来た!ように歌い始めた(笑)私ことミヤモトタミコ。
いつの間にか伴奏を未央ちゃ んが弾いてくれて「のびのび園」園歌が誕生した記念すべき?夜でした!
♪のびの〜び のびの〜〜び のび〜のび〜え〜〜ん♫
「震災以来、園長先生のこんなに楽しそうにはしゃいでいるのを始めて見ました」と 澤村さん。ほんの少し何かお手伝いできたようでうれしかった瞬間でした。
29日の朝、園長先生の案内で日の出を見に出掛けました。
海岸近く住宅があったであろう場所には、土台だけ残され、ほんの少し生活の後が残っています。海岸には手作りの慰霊碑が建てられ、一つ一つの文字に込められた祈りと思いに胸が熱くなりました。
そしてお香を焚いてみんなで祈りを捧げました。
静かに寄せて返す波は悲しみの色に染まり、海も泣いているように見え…海も辛いんだ…と、その苦しみに涙があふれました。
表向きは復興が進んでいるように見えても、ひとりひとりの受けた傷は深く、こころはまだまだ悲しみや辛さで一杯なのです。
私もコンサートの合間に少しだけ、保育士さんや園児のお母さんたちにアーユルヴェーダの脈診とお話しををさせていただく事が出来ました。
みんなこころにたくさん抱えています。少しでもその荷物を軽くさせてあげられたら…これからはこういった音楽などの癒しや、交流、こころや身体についてのお話しなど、そんなケアが必要だと思いました。そしてこれからもこのご縁と交流を深めて行きたいと強く思いました。

いわきから東京に戻ったその日の夜、下北沢で最後のコンサート。
ゴパールさんの演奏はRaaga Darbari(ラーガ ダルバリ)とても重厚な響きのこのラーガは、まるで震災や津波で亡くなられた方へのレクイエム(鎮魂歌)に聴こえ、いわきで見た 海を思い出し、哀しみと感動で涙があふれました。
被災地への慰問は間違いなく私たちのこころに深く刻み込まれたと同時に、なにか大切なものをいただいた気 がしました。
すべての魂が癒えますように。合掌。